転生したのに0レベル
〜チートがもらえなかったので、のんびり暮らします〜


483 大豆からはいろんなものが作れるんだよ



 せっかく見つけた大豆だけど、今は宿屋さんに泊まってるから買ってもすぐにお料理できないでしょ?

 だから豆屋さんのおじさんに、村に帰る時に持って帰るからっておっきな袋一杯の大豆を注文して、そのお金をギルドカードで払ってからまた別のお店を見に行く事にしたんだ。

「帰ったらいろんなもんを作んなきゃ」

 前の世界だとね、大豆を粉にしたもので作ったお菓子がいっぱいあったんだ。

 大豆の粉で作ったお菓子、よく解んないけど、なんか罪悪感ってのが無いから食べてもいいって人気があったんだよね。

 前の世界の僕は食べた事無かったからどんな味なのか解んないけど、人気があったって事はおいしいって事だもん。

「大豆のお菓子、どんな味がするんだろう? 楽しみだなぁ」

 それにね、大豆を粉にするときな粉ってのになるんだ。

 でね、そのきな粉はアイスクリームやかき氷にかけてもおいしいんだよね。

 あっ、でもそれには黒蜜ってのがかかってたっけ?

「黒蜜って、どうやって作るんだろう?」

 何度か食べた事はあるけど、僕、黒蜜ってのの作り方なんて知らないんだ。

「まっ、いっか。アイスクリームだったらお醤油とお砂糖を混ぜたやつをかけてもおいしいもんね」

 そう、大豆と言えばお醤油が作れるんだ。

 お醤油って、実は作るのがとっても大変なんだよ?

 何でそんな事を知ってるのかって言うとね、前の世界で見てたオヒルナンデスヨって番組で伝統芸能ってのをやってる人と良くおっきな声で叫ぶ男の人なのに女の人の格好をした人の物まねをしてる二人組の芸人さんがお醤油を作ってる工場に行ってどんな風に作ってるのかを教えてもらってたのを見たからなんだ。

「確か、大豆の他に小麦もいるんだっけ」

 前の僕はね、それを見るまではずっと醤油は大豆とお塩だけで作れるんだろうなぁって思ってたんだよ?

 だから蒸した大豆に炒って砕いた小麦を混ぜて作るって聞いて、すっごくびっくりしたんだ。

 それにね、お塩も最初に入れるんじゃなくって、まず最初に大豆と小麦を?菌ってので充分発酵させてから、お水に溶かしたお塩を混ぜるんだよ。

 何でかって言うとね、お塩を混ぜると麹菌が増えるのが止まっちゃうからなんだって。

 でね、その三つを混ぜたのを空気が入るようにかき混ぜながら発酵、熟成させてくと今度は乳酸菌ってのと酵母ってのが働いてお醤油の元になるもんが出来上がるんだ。

 それでね、それをお酒の時みたいに布で搾ったのをまた別の入れもんに入れて何日か置いとくと油が浮いてきたりちっちゃい搾りかすが沈んだりするから、それを取り除いてから火にかけてあっつくするとやっと醤油が完成するんだってさ。

 ねっ、本当に大変でしょ?

「でもこれ、スキルをつかえば結構簡単にできるんじゃないかなぁ?」

 だってさ、発酵のスキルってこういうものができたらいいなぁって思いながら使うと、その通りの菌が増えてくれるでしょ?

 だから最初に大豆と小麦だけに発酵を使って、その後にお水に溶かしたお塩を混ぜたらもういっぺん発酵。

 それに発酵を使えば、後はそれを布で搾ってから油とちっちゃい搾りかすを錬金術の抽出で取り出て火にかければ出来上がるって事だもん。

「ほんとだったら何日もかかるはずなのに、スキルを使うとあっという間にできちゃうかも?」

 でもなぁ、お醤油って他にあんまり使い道が無いかも?

 だってお醤油を使ったお料理って、パンと一緒に食べる物があんまりない気がするもん。

「ご飯やお餅があったら、いろんなお料理を作ってもいいんだけどなぁ」

 あれ? そう言えばお米って、ほんとに無いのかなぁ?

 グランリルの村では食べた事無いし、宿屋さんでも一度も出て来たことが無いから無いんじゃないかなぁって思ってたけど……。

「もしかしたら、どっかに売ってるお店があるかも?」

 イーノックカウにはこんなにいっぱい屋台やお店屋さんがあるんだもん。

 大豆だってあったんだから、お米だって売ってるお店がどっかにあるかもしれないでしょ?

 そう思った僕は、お米やお餅を探してふらふら歩きまわる事にしたんだ。

 でもね、

「お米、何処にも売ってないなぁ」

 お餅どころか、お米も売ってるお店が見つからなかったんだよね。

 だから僕、しょんぼりしちゃったんだ。

「これじゃあ醤油を作っても、あんまり意味ないよね」

 そう思いながら僕はとぼとぼと歩いてたんだけど、そしたらすぐそばのお店で売っていたあるものが目に入ったんだ。

「そうだ! これがあればお餅の代わりのもんが作れるじゃないか!」

 僕はそう思いながら、お店に売ってる、あるお野菜を見たんだ。

 それがどんなお野菜なのかっていうrと、それはお母さんがいっつも作ってくれる僕の大好きな揚げ芋の材料であるじゃがいも。

 このじゃがいもと片栗粉ってのを使うと、じゃがいも餅っていうのができるんだ。

 何で僕がそんな事を知ってるのかって言うとね、実はこれもオヒルナンデスヨでやってからなんだ。

 このじゃがいも餅ってのはね、女性アナウンサーって人が自分の住んでたとこでよく食べてるおやつなんだって。

 その作り方はとっても簡単だからって紹介してたもんだから、僕、前の世界で作って食べた事あるんだよね。

「お餅みたいにびよ〜んって伸びないけど、焼いたのにお砂糖とお醤油をつけて食べるとおいしいんだよね」

 じゃがいもだったら村にもあるでしょ?

 それに片栗粉だって、前に紙を作る時に使った草の根っこからいっぱい取れるでんぷんってので作った事あるもん。

 あっ! そう言えばあの片栗粉で作ったわらび餅も、きな粉をかけたらおいしいんだっけ。

「まだ大豆しか新しいの見つけてないけど、思ったよりいっぱいおいしいもの、作れるようになるかも?」

 僕はいろんなお店が並んでる道を歩きながら、お家に帰ったらいっぱいおいしいもんが食べられるぞって思ったんだ。



 今回はちょっとだけ短め。

 料理系チート番組、オヒルナンデスヨ無双の回でしたw

 因みに出て来たコンビ芸人さんと女性アナウンサーは実在の人物とは関係ありません。

 まぁ誰がモデルなのかは、なんとなく解るとは思いますが。

 さて、今回のように大豆→醤油と来たら普通はお米を発見という流れになるものなのですが、残念ながら見つける事はできませんでした。

 ただ普通の転生者と違ってルディーン君はお米にそれほど思い入れは無いので、残念だなぁとは思っても執着はしないんですよね。

 あればあったでいろいろなものを作るのでしょうけど、無いならないで困るものでもないので。



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